特殊混和材を用いた即養型ポーラスコンクリートの開発
ポーラスコンクリートの骨材表面を覆っているセメントペーストの膜は非常に薄く,乾燥しやすい。
セメントペーストの乾燥は,凝結とは異なり,正常な硬化の妨げとなる。
そこで,セメントペーストに(水中不分離材ではない)特殊混和材を添加し,施工後にすぐ散水養生を行ってもセメントペーストが水によって分離しないポーラスコンクリートの開発を行なった(POCの練混ぜは試し練りミキサ)。
基礎実験
実験1 セメントペースとの物性確認
特殊混和材と,比較用の水中不分離材(セルロース系)をそれぞれ混和したセメントペーストの性状
練り混ぜたセメントペーストを円形の鉄板に薄く塗り付け,直後に水中へ浸漬
実験2 特殊混和材を用いたPOCの施工実験
暑中期や乾燥期において,打込み直後の上面や打重ね面への水の噴霧・シャワーにより,セメントペーストの乾燥による付着力の低下の改善が見込める。
実験3 圧縮強度試験
底面はペーストキャッピングで,上面はアンボンドキャッピングで強度試験を行った。
材齢7日で13.9N/mm2を発現していることから,駐車場や土間の厚さを20cm以上確保できれば,実用できると考えられる。
プラントの実機ミキサによって練り混ぜたPOCの施工実験
施工性
とりあえず自分たちだけでやってみた
うっかり!この後の表面仕上げ直後や散水状況の写真を撮り忘れてしまった。
意外と施工素人でもなんとかなるじゃん!って結果に満足していたのが,撮り忘れの原因かも^^;
POCの種類
施工性の想定実験で施工したPOCが硬化したら,そいつをひっぺ返して,次はいろんな骨材の寸法のPOCを練り混ぜて,締固めをコンパネ踏固めとビブロで結果がどう異なるかを確認してみた。
締固め
POCの種類で施工したPOCを,またひっぺ返し,今度は締固め方法による見た目の違いを確認。
実は,この時には既に施主さん自ら行う実施工が決まっており,どんな締固めがお好みか,実験してみました。
経時変化
凝結遅延剤をC×X%添加して,練混ぜ直後から90分後の作業性を確認
コンパネを踏んで締め固めた後,水を噴霧した。
練上り90分後でも十分に作業できたが,凝結遅延剤の添加率がX%では多かったのか,4時間後でもまだ骨材をさわると剥がれた。